←前の漫画
次の漫画→
妻は手に取ったのです。柔らかいキッズ用マットの、長い破片を。
そして、おもむろにそれを叩きつけ始めたのです。自分の頭に。
バシバシバシバシバシバシバシバシバシバシバシバシバシバシバシバシバシバシ…。
何度も、幾度となく、二重三重に、繰り返し、アゲイン・アンド・アゲイン。
そして我が子に向かって微笑むのです。
我が子はもはや笑うしかありません。
バシバシバシバシバシバシバシバシバシバシバシバシバシバシバシバシバシバシ…。
自分の頭をウレタンの破片で叩く。何度も。
そして微笑む。我が子に向かって。何度も。
実の母の奇行に我が子はなすすべもなく、ただ、笑い続ける。
僕はその奇妙な取り組みが怖くなり、裸足のまま走り去ったのです。どこかへ逃げたい。逃げおおせたい。
どれだけ走っただろう。遠くまで来たはずなのに、すぐ後ろで鳴り響くような、僕を狂わせる、脳みそに染みついた音。
バシバシバシバシバシバシバシバシバシバシバシバシバシバシバシバシバシバシ…。
どこへ逃げようにも、どこまでも追ってくる音。
僕はただ、走り続けた。無我夢中で走り続けた。
今何時か、ここがどこかも分からない。そこにはただ、黒洞々たる夜があるばかりだった。
ヒデヨシの行方は、誰も知らない。
とまあ、こんな羅生門みたいなホラーちっくなことは一切なく、めちゃめちゃ面白い光景でした。
マットの素材は柔らかくて、思いっきり叩いてもすごい音はするんですが、びっくりするほど痛くないんですよ。
こちらがそのマットです▼
さすが、キッズ用マットなので衝撃吸収性がすごい高いのかもしれませんね。
ちなみにこの「キッズ用マットの破片で自分の頭をバシバシ叩いた後に満面の笑みを赤ちゃんに見せつける遊び」という訳の分からない遊びを思いついたのは、妻のお母様なのだそう。
我が家は妻の実家のすぐ近くにあるため、妻のお母様がよく遊びに来てくれるんですね。そのときに妻のお母さまが思いついて遊んだところ、うちのベビーが大喜びしたのだとか。
なるほど、妻と妻のお母様の奇抜な発想を見ると2人が完全に親子であることがわかります。
いつも我が子と遊んでくださりありがとうございます。また面白い遊びを思いついたら是非披露してください。
次の奇怪な遊びが楽しみです。(漫画のネタにもなりますし。)
←前の漫画
次の漫画→