結婚して出てくる悩みの一つ「寝室問題」。
いくつかの調査データによると、円満な夫婦の7〜8割は寝室が一緒という結果があります。
かといって、無理に夫婦の寝室を一緒にしてもパートナーのいびき・歯ぎしり・光・振動などによって睡眠の質が下がってしまい日常生活でのイライラや夫婦喧嘩になってしまったのでは意味がありません。
「夫婦の寝室のカタチ」はどのように決めればいいのでしょうか。
この記事では夫婦の寝室を同じにするか、別にするか悩んでいる人向けに
について、紹介していきます。
寝室について夫婦の意見が分かれたときの具体的な対策アイデア・グッズもあわせて紹介していますので、夫婦の寝室について悩んでいる場合の参考にしてみてください。
目次(タップで各項目へジャンプできます)
夫婦の寝室のリアル
まず、現代の夫婦の寝室事情について調査データをもとに紹介しましょう。
円満な夫婦は寝室を同じにしている人が多い
以下はオウチーノが2016年に実施した「「夫婦仲と寝室」に関する実態調査」の結果です。
によると、円満夫婦の約75%は夫婦の寝室が同じということがわかりました。
また、夫婦円満のために寝室は同室か別室のどちらがおすすめかを尋ねたところ、円満夫婦の約75%が寝室を同じにすることをおすすめしており、寝室は夫婦円満の要素として重要な位置付けであるようです。
「夫婦同室」をおすすめする理由は以下が挙げられます。
- その日のできごとや意見交換などコミュニケーションがとれるから
- 健康面(突然の疾患)や災害など何かあったとき安心だから
- 喧嘩をしても一緒に寝ることで仲直りするきっかけになるから
- 仕事などでなかなか一緒にいる時間を作れないから
一方で、「夫婦別室」をおすすめする人の理由としては以下が挙げられます。
- 一人の時間も大切だから
- 安眠のため
- 生活リズムにズレがあるから
- 夫婦それぞれのプライベート空間があると過ごしやすいから
夫婦のお互いの意見が一致していたら、寝室を同じにするか別室にするかは決めやすいですが、夫婦の意見が分かれたときが問題です。
データで見ると、たしかに夫婦円満には寝室が一緒であることが重要と思われますが、無理して寝室を同じにする必要はありません。
というのも、睡眠は一日の3分の1ほどを占めるものであり、睡眠の質を高めることは仕事、結婚生活、ひいては人生の質を変える重要なものとなるためです。
ですので、夫婦の寝室を一緒にする・しないことによるメリットも大切ですが、それよりも、デメリットの部分を自分たち夫婦が受け入れられるかに重きをおいたうえで寝室の方向性を検討しましょう。
以下、寝室を同室にする方がいい夫婦、別室にする方がいい夫婦の特徴と、それぞれの対策を紹介していきます。
【同室派】寝室を同じにした方がいい夫婦の特徴とメリット・デメリット
ここでは寝室を同じにした方がいい夫婦の特徴と対策を紹介しましょう。
夫婦の寝室を同室にするメリット・デメリット
まず、夫婦の寝室を同じにするメリットとデメリットは以下のようなものを挙げることができます。
夫婦の寝室を同じにするメリット▼
- 夫婦の距離感が近くなる
- スキンシップがしやすい(セックスにつながりやすい)
- 会話・コミュニケーションができる
- 家族一緒に寝ることができる
- 家族の突然の不調に気づきやすい
夫婦の寝室を同じにするデメリット▼
- 音、振動、光、体臭などの刺激により眠りが妨げられる
- 部屋サイズによっては十分な睡眠スペースを確保できない
- 夜の一人の時間をつくりにくい
これらのメリット・デメリットを踏まえた上で、寝室を同じにした方がいい夫婦の特徴を以下に紹介していきましょう。
寝室を同室にしたほうがいい夫婦の特徴
夫婦で一緒に寝たい
夫婦同室のデメリットを受け入れた上で夫婦一緒に寝たい場合は寝室を同じにしましょう。
どんな環境でも寝られる
パートナーのいびきや寝相によるマットレスの振動が気にならない場合は夫婦の寝室を別にすることはありません。
また、空調による寒さ・暑さが気にならない場合も同様に寝室を分ける必要はないでしょう。
性欲がある
夫婦の性欲がある、妊活中などの場合は寝室を一緒にするのがおすすめです。
スキンシップがしやすく自然とセックスに至ることができます。
子供と家族みんなで寝たい
子供と一緒に家族で「川の字」で寝たいときは夫婦の寝室を一緒にしましょう。
子供が小さいときしか家族で川の字で寝られませんので、家族の絆を深める貴重な時間になります。
夫婦の距離が少しあいていると感じている
夫婦間の心の距離が少し広くなってしまったときも、寝室を同じにしてみましょう。
夫婦の距離が近くなり、寝る前の会話・コミュニケーションを通して夫婦仲の改善につながります。
ただし、パートナーに少しでも近づかれるのが不快に思うような状態なら無理に寝室を同じにせず別の形での関係修復を目指しましょう。
家の間取り的に別室が難しい
家の間取りにより夫婦の寝室が別にできない場合は夫婦の寝室を同じにせざるをえません。
ただ、以下で紹介しているように、マットレスを別にする、部屋に簡易的な仕切りをつくる、耳栓をするなどで対策する事で自分の寝やすい環境を整えましょう。
夫婦の寝室が同じ場合の睡眠対策
本当は夫婦の寝室を別にしたいけれど、同じ寝室にせざるを得ない場合の対策を紹介します。
基本的には、同じ寝室内でできること、睡眠の質を高めるグッズを利用して寝室の環境を整えることで対策をします。
自分用:耳栓、アイマスク
自分用としては外部の刺激を無くすために耳栓やアイマスクの使用が基本。
耳栓やアイマスクは締め付けが強すぎると翌朝に痛みが残るので、「遮音性・遮光性がよい」かつ「肌に優しい」ものを選びましょう。
パートナー用:防音グッズをつけてもらう
いびき(口呼吸)防止テープ、いびき防止まくら、歯軋り防止のマウスピースなど、可能な対策をしてもらいましょう。
個人差でグッズの合う・合わないが大きく変わりますので、パートナーに最適なグッズを根気づよく探すことも大切です。
マットレス(ベッド)をセパレートする
パートナーの寝返りや振動で眠りが浅くなってしまう場合はマットレスを分けるのがおすすめです。
シングルマットレスを2つ、あるいは子供が生まれた時を見越してシングルとセミダブルマットレスを組み合わせるなど工夫もできます。
カーテンやロールスクリーン、パーテーションで部屋を分ける
自分の空間を持ちたい場合は、自分とパートナーとの間に「つっぱり棒+カーテン」や「ロールスクリーン」を取り付けることで一つの寝室を2つの空間に分けることができます。必要ない時はたためるのもメリットです。
あるいはベッドの上半分に夫婦を分ける形でパーテーションを立てるのもよいでしょう。
防音性のあるカーテンやロールスクリーン、パーテーションであれば、いびきや歯ぎしりなどの音も軽減されます。
光目覚まし時計を使う
仕事の関係で生活リズムが夫婦でズレている場合、目覚まし時計の音がストレスになることもあります。
光で起こす「光目覚まし時計」であれば、大きな音による睡眠の妨げもなく、徐々に強くなる日の出のような光で気持ちよく起床できるのもおすすめ。
子供ができて授乳が必要なときなど、サイドランプとしても活躍します。
可能な場合は定期的に夫婦別々で寝る
もし可能なら、定期的に夫婦別々で寝てみましょう。
別々で寝ることで、気軽に夜の時間を過ごせますしパートナーがいないことによる新鮮さや寂しさといった刺激を得ることができます。
【別室派】寝室を別にした方がいい夫婦の特徴とメリット・デメリット
ここでは寝室を別にした方がいい夫婦の特徴を紹介しましょう。
夫婦の寝室を別室にするメリット・デメリット
夫婦の寝室を別室にするメリットとデメリットは以下のようなものを挙げることができます。
夫婦の寝室を別室にするメリット▼
- パートナーの気配(音、振動、光など)に邪魔されず熟睡できる
- 自分の空間・時間をつくることができる
- 夜中(残業)あるいは早朝(早出)にパートナーに気を使わず行動できる
夫婦の寝室を別室にするデメリット▼
- 夫婦の会話・コミュニケーションの機会が減る
- ベッド上の自然なスキンシップやセックスにつながりにくい
- 家族一緒に寝ることができない
- 別室の家族の様子がわからない
これらのメリット・デメリットを踏まえた上で、寝室を別室にした方がいい夫婦の特徴を以下に紹介していきましょう。
寝室を別室にしたほうがいい夫婦の特徴
環境に繊細で睡眠の質が下がる(音、振動、臭い)
パートナーのいびきや歯ぎしりなどの騒音、寝返りなどマットレスの振動、あるいはパートナーの体臭など、自分が刺激に敏感で睡眠の質が落ちてしまう場合は寝室を夫婦で分けた方がよいでしょう。
パートナーと温度の感じ方に差がある
空調の感じ方が夫婦で違う場合、どちらかの温度にあわせて空調を設定することになります。
夏場の冷房でパートナーは快適だけど自分は寒いから長袖を着るといった対策もできますが、それにより体調が崩れることもありますので空調を整えるか、夫婦の寝室を別にするのが無難です。
夫婦で生活リズムが大きく違う
仕事などの関係で夫婦の生活リズムが大きく異なると、夫婦の片方が寝ているときに夫婦のもう片方が起きている状況も生まれます。
生活音や物音がどうしても発生してしまうので、夫婦で生活リズムが大きくズレているなら別室とした方がお互い気をつかいません。
自分の空間・時間を持ちたい
寝る前に読書をしたい、趣味のゲームをしたいなど、寝る前のルーティンとして自分一人の空間・時間を持ちたい場合は寝室を夫婦別室にしてみましょう。
集中して仕事をしたいが書斎がないという人も同様に、夫婦別室にすることで自分の空間と時間を確保できます。
寝室が狭い
家具が大きく寝室に夫婦2名あるいは子供を含めた家族が寝るのに十分なスペースがない場合は夫婦の寝室を分けたほうがよいでしょう。
夫婦の寝室が別の場合の対策
本当は夫婦の寝室を同じにしたいけれど、別室にせざるを得ない場合の対策を紹介します。
基本的にはグッズを使うのではなく、夫婦の距離が離れないように普段のコミュニケーションを増やして対策します。
普段のスキンシップやコミュニケーションを増やす
日常的なスキンシップやコミュニケーションを意識して増やしましょう。
記事の前半で紹介したように、円満でない夫婦は夫婦の寝室が別室であるケースが多いため、夫婦の距離感が開かないようにすることが大切です。
一緒に食事をしたり、一緒にお風呂に入ったり、ハグやキスをしたり、寝室は別でも普段のスキンシップとコミュニケーションを継続させましょう。
起きている間はリビングにいる
寝室が夫婦別室になると寝室にこもりがちになりますので、起きている間はリビングで一緒に過ごすなど夫婦の時間を共有するようにしましょう。
「Amazonプライムビデオ」や「Netflix」で映画やドラマを見たり、YouTubeでおもしろ動画を見るなど、夫婦で一緒に過ごせる工夫があるとパートナーを誘ってリビングに集まる理由も作りやすくなります。
お互いの寝室にパートナーの好きなものを置いて入り合う
パートナーの好きなものを自分の寝室に、自分の好きなものをパートナーの寝室に置くことで、お互いの寝室に入る理由ができ、夫婦の寝室が別でも自然と夫婦の距離感も近くなります。
パートナーの好きなものも手に取りやすくなるため、夫婦の理解を深めることにもつながります。
定期的に夫婦一緒に寝る
毎週土曜日は夫婦で一緒に寝るなど、決まった日や曜日に夫婦が一緒に寝る習慣を作ってみましょう。
寝る前にライブチャット・テレビ電話でコミュニケーションする
LINEなどコミュニケーションアプリのビデオライブ機能で夫婦の寝室をつないでおき、それぞれが寝付くまで会話できる状態にしておくのもおすすめです。
寝る前に今日のできごとや今後の予定などを共有することでコミュニケーションをとり意思疎通を図ることができます。
まとめ:そのときの夫婦・家族が快適になれる寝室のカタチを選ぼう
睡眠は普段の生活の質はもちろん、家事や育児で疲れた心と体を回復させるためにも重要なものであり、睡眠が人生の質を決めるといっても過言ではありません。
結婚後、パートナーとの兼ね合いで睡眠の質が崩れないようバランスをとりながら、妥協せず、夫婦のお互いが気持ちよく眠れる寝室の環境づくりをしましょう。
後々の寝室トラブルをなくすためにも、可能であれば結婚前に同棲をして夫婦のお互いの睡眠のクセを理解しておくとよいですね。
本記事があなた夫婦・家族の寝室をよりよくするヒントになれば幸いです。